ゲームの概要
【タイトル】AD&D プールオブレイディアンス
【プラットフォーム】ファミコン(ファミリーコンピュータ)
【ジャンル】ロールプレイング
【メーカー】ポニーキャニオン
【発売日】1991/6/28
プレイ動画
ストーリー
フランを開放せよ!
〈新生フラン市評議会〉は、悪の手に落ちた都市を開放する戦いを進めている。
いまも英雄たちは都市部を少しずつ挽回しているのだ。
富と、名声!
〈評議会〉は新生フランにやってくる英雄たちを求めている。兵士、魔術師、僧侶、盗賊、誰もが参加できる。古代都市の富はそれを手にする者を待っているのだ。
栄光!
新生フラン開放の努力によって、君も伝説の英雄に仲間入りすることができる。
フランに向けて月2便、船が出港する。到着すれば、新生フラン市評議会に立ちより、最新のニュースと情報を見てくれたまえ。
新生フランで輝かしき未来を!
ゲームのレビュー
「AD&D プール・オブ・レイディアンス」は、パソコン版「Advanced Dungeons & Dragons」(AD&D)シリーズの『Pool of Radiance』をファミコンに移植した、3DダンジョンRPGです。
ファミコンに移植されたAD&Dシリーズの中で、最も評判が良かった作品です。
『Pool of Radiance』は、1988年6月にアメリカ合衆国のStrategic Simulations (SSI) から発売されたPC/AT互換機用ロールプレイングゲームです。テーブルトークRPG『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』第1版をベースにしています。
ゲームは「ウィザードリー」に似た3D視点のRPGで、昼夜をはじめとした時間の経過や年齢の概念もあります。
「AD&D プール・オブ・レイディアンス」の冒険は、月海の北海岸にある廃墟、フラン市で始まります。そこでは諸国からやってきた冒険者たちが、かつて栄華を誇ったこの都を再建しようとしています。
ストーリーは、モンスターに占領され廃墟となったフラン市をモンスターの手から取り戻すというものです。プレイヤーの分身である冒険者たちも、チラシを読んで、一獲千金を夢見て船に乗り、このフランへやってきたという設定です。彼らは1経験レベルの冒険を始めたばかりのキャラクターとして登場し、より高い経験レベルへと成長しながら、フランにかつての栄光を取り戻します。
ゲームは、「新生フラン市評議会」から依頼されるクエストを達成していく形で進行します。ひとつひとつのクエストが丁寧に作られ、プレイヤーの選択次第で多様な展開をみせます。イベントやクエストが多数用意されており、フラン市以外の土地に移動することも自由です。
この当時のコンピュータRPGは、クエストの解決方法が決まっているものが多かったが、「AD&D プール・オブ・レイディアンス」はひとつのクエストに対して複数の解決方法が用意されているなど、テーブルトークRPGのシナリオを意識した構成になっています。
キャラクターとして選べる種族は、人間・ドワーフ・エルフ・ノーム・ハーフエルフ・ハーフリングの6種類です。種族によって身体能力が異なるのはもちろん、選べる職業やマルチクラスも異なり、更にレベルの上限も異なります。
選べる職業は 戦士・僧侶・魔法使い・盗賊の4種類です。ファミコン版では、種族毎に職業が限定されています。例えば、ドワーフは手先が器用であっても戦士にしかなることができず、またハーフリングは戦士の適性があっても盗賊にしかなることができません。
また、「アライメント」と呼ばれる9種類のキャラクターの人生観が設定されています。プレイヤーは行動を自由に決めることができますが、ゲームに登場するノンプレイヤー・キャラクター(NPC)によるプレイヤーの評価などにアライメントが影響します。
「AD&D プール・オブ・レイディアンス」では、プレイヤーキャラクターを最大5人まで作成してパーティを組んで冒険することができます。また、クエストによってはゲストNPCがパーティに加わることもあったり、傭兵としてNPCを雇うことも出来ます。
NPCは、プレイヤーキャラクターと同じように、魔法で傷を癒したり宝物を渡すことも可能です。ただし、戦闘ではNPCはAIによる自動戦闘となります。
更に、NPCには忠誠や士気といった隠しパラメーターが存在し、士気が低いとパーティの形勢の悪化時にNPCが勝手に逃走することもあります。NPCが戦闘で見方を裏切り、敵に味方することすらあります。NPCは、プレイヤーの大きな助けになることもありますが、信用して痛い目に遭うこともあるのがこのゲームのユニークなところです。
戦闘は、ターン制のタクティクス・コンバットです。敵との戦闘時間は長めです。その割には、戦闘よで得られる経験点は多くありません。戦闘よりも、隠し財宝や依頼の達成などで、経験点を得るゲームバランスとなっているので、できるだけ戦闘を避けながらゲームを進めることも可能です。
もちろん、すべての敵を駆逐しエリアを開放していく楽しみ方もできます。
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